「親が施設に入ったんやけど、 実家、どうしたらええんかなあ」
ご相談で、ここ数年で 本当に増えてきたお話です。
施設の入居費もかかるし、 空き家の維持費もかかる。 ご兄弟との温度差もあって、 何から決めたらいいかも分からない。
ワタシのところに来られる方々の、 よくある 3つのパターン を、 正直なメリット・デメリット込みでお話しします。
パターン①:そのまま空き家にする
いちばん多いのが、これです。
「まだ親も生きてるし」 「家財もそのままやし」 「いずれ考えるつもりやけど」
— で、結果的にそのまま、5年・10年と置かれる。
メリット
- すぐに何かを決めなくていい
- 親御さまが「やっぱり戻りたい」となったときに戻れる
- ご家族との話し合いを後回しにできる
デメリット
- 年に 20〜30万円 の維持費がかかる (詳しくはこちらの記事)
- 建物が 急速に傷む
- 5〜10年で 査定額が数百万円下がる ことも
- 特定空家 に指定されると固定資産税が6倍に
向いている方
- 親御さまが元気で、戻りたいというお気持ちがある
- 兄弟で話し合うのに、もう少し時間が必要
- 当面の維持費は払い続けられる
パターン②:売却する
次に多いのが、思い切って売却するパターン。
施設費用に充てたい、 ご兄弟で分けやすい、 管理から解放されたい、
というご事情のときです。
メリット
- まとまった現金 が入る
- 維持費が ゼロ になる
- 心配ごとから解放される
- 兄弟で分けやすい
デメリット
- ご実家が 他人の手 に渡る
- 親御さまの「思い出の場所」が無くなる
- 売却までに 数ヶ月 かかることもある
- ご家族全員の合意が必要
向いている方
- 親御さまの介護費用が必要
- ご兄弟で公平に分けたい
- 「もう、誰も住まない」と決めている
パターン③:賃貸として貸す
意外と知られていないのが、第3の選択肢。
「貸す」ことで、ご実家を手放さずに済みます。
メリット
- ご実家を 手放さない
- 家賃収入 で維持費がペイできる
- 建物が 使われ続ける ことで傷みにくい
- 親御さまが戻りたくなったときに、契約終了で戻せる (定期借家契約という方法があります)
デメリット
- 貸せる状態にするための リフォーム費用 がかかることがある
- 借り手を 探す手間
- 入居者の方への対応(管理)が必要
向いている方
- ご実家を「いずれ家族で使う可能性」を残したい
- 当面の維持費は減らしたい
- 売る決断は、まだしたくない
判断のヒント:3つの問いかけ
どのパターンにするか、迷われたら、 こんな問いを、ご家族で話し合ってみてください。
Q1. 親御さまは、ご実家をどう思っている?
「売ってもいい」 「誰かに住んでほしい」 「壊さないでほしい」 「孫が使ってもいい」
親御さまのお気持ちを、 いちど聞いておく ことが、何よりの判断材料になります。
Q2. ご兄弟の温度感は、揃っている?
残したい人、 売りたい人、 動ける人、 動けない人。
揃っていないなら、 まず話し合う ところから。
Q3. 維持費を、あと何年払えるか?
正直に、お財布と相談してみてください。
「5年は払える」「3年が限界」「もう来年は厳しい」
— この答えで、判断の急ぎ度が決まります。
ワタシたちの伴走
ご相談を受けると、
「決めてもらおうと思って来たんやけど、 話してるうちに、自分で答えが見えてきた」
と、おっしゃる方が多いです。
ワタシたちは、答えをお出しする立場ではなく、 ご家族の答えを引き出す立場 だと思っています。
「まだ何も決まっていない」段階で大丈夫です。
むしろ、決まる前にお話しする方が、 選べる道筋が広いんです。