「実家、いま空き家のままなんよ」
ご相談に来てくださる方の、 半分以上はこの一言から始まります。
親御さまが施設に入られた、 ご逝去された、 あるいは長くお住まいだったご実家を相続された。
きっかけはさまざまですが、 共通しているのは「ひとまず、置いてある」というご状態です。
そのときワタシが最初にお伝えするのが、 このお話。
空き家のままにしておくと、 何もしなくても、年間でこれくらいかかります。
知っておいて損のない数字なので、 ひとつずつ、ざっくりお伝えしますね。
① 固定資産税・都市計画税
まず、毎年4月にやってくる固定資産税です。
建物の評価額と土地の評価額に、 税率1.4%を掛けて算出されます。
戸建ての固定資産税は、 立地・築年数・土地面積で本当にまちまち。
津市の郊外で、 土地150〜200㎡、築古の戸建てなら、 年間 2〜5万円 くらいが目安。
市街地寄りや、評価額の高い土地だと、 5〜10万円 に上がることもあります。
ご実家の規模やエリアによって、 正確な数字は納税通知書を見ないと分かりませんが、 ひとまず 「年に数万円は出ていく」 とお考えください。
「使ってないのに、毎年出ていく」 — これが、まず1つ目。
② 火災保険・電気・水道の基本料金
火災保険は、 ご実家のサイズや構造によりますが、 年間 6万円前後 が一般的です。
「空き家用」という商品があるわけではなく、 普通の住宅総合保険を、空き家にもかけ続けます。 (むしろ、空き家の方が割増になることもあります)
電気と水道は、使っていなくても 基本料金 がかかります。 合わせて 月3,000円ほど が目安。年で 3.6万円。
「水道、止めとけばいいやん」と思われがちですが、 止めると排水トラップが乾いて下水の匂いが上がってきます。 完全に止めてしまうのは、おすすめしていません。
加えて、 町内会費(年5,000〜15,000円程度)も、 所有者として払い続けるのが普通です。
③ 草刈り、これがじわじわ効く
これが、思った以上に効いてきます。
ご近所からの「草が伸びすぎてるよ」というご連絡は、 本当によくあります。
シルバー人材センターや、地元の植木屋さんにお願いすると、 庭のサイズにもよりますが、 1回あたり 3万円ほど は見込んでおいた方がいいです。
夏場は伸びるのが早いので、 年に 2〜3回 は最低でも入る。
つまり 年6〜9万円 が、草刈り費用としてかかってきます。
④ 見に行く交通費
これは、ご実家がご遠方の方ほど効いてきます。
ある津のお客さまは、 東京から月1で帰ってきておられました。
新幹線代だけで、年20万円超え。 これも立派な「空き家コスト」です。
ご近所の方やシルバー人材センターに 見回りをお願いすることもできますが、 それでも月1〜2万円はかかります。
⑤ 放置で起こる、もう一つの怖さ
数字には出にくいのですが、 これがいちばん「嫌な経験」につながります。
人の出入りがなくなったご実家には、 蜂が巣を作ります。
軒下や、雨戸の隙間に、 気がついたら大きな巣ができていて、 撤去に何万円もかかった、というお話は珍しくありません。
それから、動物が住みつきます。
ハクビシン、アライグマ、ネズミ、野良猫。 天井裏や床下に入り込み、 気がつくと糞尿で天井が抜けかけている。 そんなご相談も、年に何件かは受けています。
「久しぶりに帰省したら、家の中が大変なことになっていた」
これは、本当に、心が折れます。 お片付けどころか、まず駆除と原状回復から始めなくてはなりません。
⑥ 数字に出にくい、いちばん大きいもの
人が住まなくなった家は、住んでいる家より圧倒的に早く傷みます。
換気されない、結露が乾かない、水道が流れない。 屋根や雨樋もメンテナンスが入らない。
5年・10年と置いておけば、 お売りになるときの査定額が、 数百万円単位で下がっていることも、めずらしくありません。
「いつか売ろう」が、 その「いつか」までに、価値が目減りしていく。
これが、いちばん大きいコストかもしれません。
⑦ 「特定空家」に指定されると、税金が6倍に
ここはあまり知られていないので、 声を大にしてお伝えしたいのですが。
空き家のまま放っておいて、 自治体から 「特定空家」 に指定されると、 土地の固定資産税の優遇措置がなくなります。
実質的に6倍。 年間3万円が、18万円に。
「うちのは大丈夫でしょう」と思われがちですが、 屋根が崩れかけていたり、 庭木が道路にせり出していたり、 空き家が長期化すると、いつか順番が回ってきます。
まとめると
ざっくり、何もしないご実家に、
- 固定資産税:年 2〜10万円
- 火災保険:年 6万円
- 水道・電気・町内会費:年 5万円前後
- 草刈り:年 6〜9万円
- 交通費:人による
合わせて、年 20〜30万円ほど。
さらに建物価値の目減りや、 特定空家リスク、 蜂や動物の被害を足すと、
5年で200万円超 のコスト感は、現実的な数字です。
これだけかかると見えるだけでも、 「そろそろ動くか」と思っていただけるかと。
ワタシは「いますぐ売りましょう」とは申しません。
ただ、いま、何もしない ことのコストだけは、 知っておいていただきたいなと思っています。
ご実家のことで、ぼんやりとした不安をお持ちでしたら、 まずは無料相談から。
ご住所と簡単なご状況だけで、 おおよその選択肢をお話しできます。