「兄弟で話そうとすると、 いつも空気が悪くなるんよ」
これも、本当によく聞くお声です。
実家のことになると、 普段は仲のいいご兄弟でも、
お金 と 感情 と 過去 が 一気にテーブルに乗ってきて、
何を話し合っているのか、 分からなくなる。
ワタシのところで何件も ご家族の話し合いに立ち会わせていただいて、
「揉めない兄弟」と「揉める兄弟」に、 ある共通点があると感じています。
きょうは、その 3つのコツ を お話ししますね。
コツ 1:「お金の話」と「気持ちの話」を、分けて話す
揉めるご家族に、いちばん多いパターンがこれです。
「あの家、500万円で売れるらしいで」 「いや、僕はお父さんの思い出があるから売りたくない」 「思い出って言うても、お前ほとんど帰省してへんやろ」 「は?それ言うか?」
— こうなると、もう止まりません。
お金の話と感情の話が、 ぐちゃぐちゃに混ざるからです。
順番を分けます
ワタシがおすすめしているのは、 こんな順番です。
第1回目の話し合い:気持ちの話だけ 「お父さんの家、どう思う?」 「残したい?売ってもいい?」 「自分はどう関わりたい?」
お金の話は、いったん 横に置きます。
第2回目の話し合い:お金の話 「査定はこれくらいやって」 「維持費はこれくらいかかってる」 「相続税はこれくらいの見込み」
気持ちの整理がついてから、 数字を持ち出します。
これだけで、 話し合いの空気が、まったく変わります。
コツ 2:「動いた人ばかりが損する」状態を作らない
揉める原因の大半が、 これだと思っています。
実家の話は、 誰かが動かないと前に進みません。
役所へ行く、 書類を集める、 業者に連絡する、 草刈りに帰省する。
たいてい、 近くに住む誰か が動くことになります。
そして時間が経つと、こうなります。
「自分ばっかり動いてるのに、 あいつらは何もせえへんやんか」
これが、最大の火種になります。
動いた分は、見える化する
ワタシがおすすめしているのは、 「動いたことを、ちゃんと記録に残す」 こと。
LINEのグループでも、 紙のノートでも、 何でもいいです。
5/12 役所で印鑑証明 → 太郎 5/15 草刈り業者打ち合わせ → 太郎 5/20 司法書士に書類提出 → 太郎
これを見えるようにしておけば、
最後の話し合いで、
「動いた分、太郎の取り分は少し多くてもええよな」
と、自然に話せます。
何より、動いている人が 報われた気持ち になります。
これ、大事です。
コツ 3:第三者を、早めに入れる
これも、本当によくお伝えしているのですが。
家族だけで決めようとすると、 たいていうまくいきません。
なぜかというと、 全員が 当事者 だから。
冷静なつもりでも、 昔のケンカ、 親子関係、 お金の事情、
そういう 古い感情 が どうしても顔を出します。
第三者って、誰?
専門家に頼る、ということです。
- 不動産屋:いくらで売れるか、貸せるか
- 司法書士:相続登記、遺産分割の手続き
- 税理士:相続税、譲渡所得税
- ファイナンシャルプランナー:全体の資金計画
「いきなり全部に声かけるのは大げさやで」
と思われるかもしれません。
でも、たとえばワタシたち不動産屋には、 無料相談 で来てもらって構いません。
「査定だけ知りたい」 「貸すといくらか聞きたい」
それだけで、ご家族の話し合いに 数字という物差し が入ります。
数字が入ると、 感情の話が、不思議と落ち着くんです。
やってはいけない、ひとつのこと
最後に、これだけは。
「家族グループLINEで、 重要な意思決定をしない」
家族LINEは、ご家族にとって便利な道具ですが、 表情も、声のトーンも、間(ま)も伝わりません。
文字だけで重い話をすると、 必ず誤解 が生まれます。
実家の重要な意思決定は、 できれば 顔を合わせて、 それが無理なら 電話か Zoom で、
そして、録音しておく ことをおすすめします。
「あのとき、こう言うたよな」 「いや、そんなこと言うてへん」
これが、後の揉めごとの99%です。
ご家族のための、ワタシたちの役割
ご相談に来られたご家族に、 ワタシがよく言うことがあります。
ワタシは、家を売る人やない。 ご家族の話し合いに、 一緒に座らせていただく人や。
実家の話し合いは、 ご家族のこれからの関係を、 そのまま映す鏡みたいなものです。
うまくいけば、ご兄弟の絆が深まる。 うまくいかなければ、ずっと尾を引く。
だからこそ、 お一人で抱え込まずに、 専門家を 早めに 入れてください。
ワタシたちは、 答えを押し付けるためではなく、 ご家族が答えに辿り着くために、 ご一緒します。